道化が見た世界

エンタメ・エッセイ・考察・思想

最近キレたエピソード

本田少年は、週刊少年ジャンプに掲載されていた「デスノート」という漫画が好きだった。 デスノートが映画化した際には、すぐさま映画館に足を運び、限定グッズを買い占めていた。 その中でも特にお気に入りだったものが、「デスノート・ブレスレット」であ…

ES(エントリーシート)の書き方

ESに悩む就活生諸君、ご機嫌いかが!本日は、そんな貴君らの為に、私が救いの手を差し伸べたいと思う。この手が真に天空から差し伸べられる救いの手であるか、あるいは崖下から這う道連れの手であるかの真偽は、諸君らの審美眼に任せたい。 さて、早速本題に…

コミュニケーションにおける緊張と弛緩

言語を媒介としたコミュニケーション(会話)において、自己―他者の相互関係の状態は、主として「緊張」と「弛緩」に区分できる。たとえば、彼らが初対面の場合、その心理的距離感は拡大しており、「緊張」状態にあると言える。ひるがえって、幼馴染みと会話…

【嘲笑技法】 アクト・キャンセル

笑いには多様な社会的機能があるが、今回私が言及するのは、人を小馬鹿にし、対象者の位を相対的に低下させる「嘲笑」における派生型の笑い「アクト・キャンセル」である。ここから若干説明がややこしくなるが、そもそも笑いとは、他者がいなければ生起され…

ノロウィルス寸劇

あらかじめ断っておくと、これからするお話はひどく下品である。読者諸賢のうちの大半はおそらく吐き気をもよおす類のものである。ゆえに、そういうお話が好きではない品行方正な紳士淑女はすぐさま回れ右をしティータイムを満喫した方がよい。それ以外の方…

包括的エンターテイメント論

エンターテイメント精神とは、他者を「楽しませたい」と志向し、それを行動へと具現させる個人主体の内的動機である。その精神を有する個人は、他者を楽しませること(「我―汝」の関係性)によってその愛を付与し、それと同時に、他者を楽しませている自己へ…

チヤホヤ理論

私達人間は―we,human beings―自分の価値、力、容姿、素養、その諸々が他人に誉められたり、認められたりすると嬉しく思う。とても嬉しくなる。その他者の承認が増えれば増えるほど、自己肯定感や自信が萌芽し、男性であれば、縦横無尽に乙女の頭をポンポンす…

原稿用紙二枚(800字以内)の小話

この文章は、昨年の某出版社のES課題である。原稿用紙二枚(800字以内)の条件付きで、「『穴があったら入りたい』と思った体験談」の主題のもと書かれた。 高校三年生、当時受験生であった私は、某予備校に通っていた。私が受講していた科目は世界史で、そ…

【復刻版】カルカッタ・ラプソディ(7)

CISから家に帰ってすることと言えば、遊戯王かゲームかバスケか卓球かの、四者択一だった。 この『カルカッタ・ラプソディ 7』の構想を練っている時、私は冒頭の文句を「暇だった。」で始めようと決めていた。他者とのコミュニケーションもままならない閉塞…

【復刻版】カルカッタ・ラプソディ(6)

演劇にカタルシスを感じる人は多いのではないだろうか。演者としての自己に、ということだ。 私は、自己ではない何者か―他者―に変身できるということは、とても新鮮で清々しいことだと思う。何故なら、ストーリーの設定上であれば、人を完膚無きまでに馬鹿に…

【復刻版】カルカッタ・ラプソディ(5)

邪悪なる組織CISには、どういったことか、トイレが2つしか存在しなかった。個室のトイレが別個にそれぞれ2つあるだけだった。 「需要と供給の釣り合いが皆目計られていない。何ぞこれ」ホンディーヌ一同は戦慄した。 2つしかない状態のトイレは無論、常時…

【復刻版】カルカッタ・ラプソディ(4)

私達三兄弟(世間一般では「ホンディーヌ三兄弟」という通り名を持つ)は、地元にあるカルカッタ・インターナショナル・スクール(CIS)という学校に通うこととなっており、そこで主眼として掲げられた目標は、無論、神聖なるインディアン・イングリッシュ(…

【復刻版】カルカッタ・ラプソディ(3)

「WE LOVE INDIA! WE LOVE INDIA!」ホンディーヌ家の一族は雄叫びをあげた。 言葉には魂が宿ると言われている。言霊というヤツである。つまり、「私はインドを、こんなにも愛している」と声に出して表現してみることで、たとえ真に愛していなくとも、インド…

【復刻版】カルカッタ・ラプソディ(2)

私はついにインドの地に降り立った。飛行機から降りた瞬間に感じた、あの常軌を逸したモヤモヤ湿気の不快感は、筆舌に尽くし難い。尽くしがたいので書くことが出来ない。 「ああ、もうこれは完全に異世界だ。記念すべきインドへの第一歩目で、もう既にI miss…

【復刻版】カルカッタ・ラプソディ(1)

◎登場人物 父:かげお 母:ヒカ子 兄:豪鬼 姉:ヒメ子 私:チンパン ◎はじめに この、「カルカッタ・ラプソディ」という小説は、私が大学二年生だった2009年05月からmixiで勝手に載せていた作品である。私が小学5年生から中学1年生まで滞在していたインドに…

卒論メモ

アダム・スミス「言論力、根源的欲望、共感機能、エゴ」ファルスの根源的所在 ↓ 政治的個人の前提 マキャヴェリ「愛の恐怖の両立」→共笑と嘲笑 ↓ ファルスの社会的機能、機能的有用性 必要機能→規律機能、反逆機能・剰余機能→調和機能、祝祭的笑い・愛ある笑…

JADEとエンターテイメント論

僕は以前ツイッタ―でこの様なつぶやきを残した。 エンターテイメントには様々な形態があるのは周知の通り(ダンス、歌、ゲーム、アミューズメントパーク等)だが、その中でも最も広範かつ恒常的なものは「コミュニケーション(しゃべり)」という領域である…

政治と道化(ファルス)

笑いには政治的効用がある。本論では、この経験的確信を理論化・体系化させることを一義的な目的としている。 笑いの政治的効用とは、政治的な力に他ならない。ここで私は、笑いの「力」(自分が望む結果になるように他人の行動を変える能力)としての側面を…

道化のエントリーシート

「人を笑わせることによって、その共同体を明るく元気にする」 私は幼少の頃から(時間的連続性)この信念を持ちながら、日々を過ごして参りました。大学では、その領域を可能な限り拡大すべく、①外的努力②内的努力を致しました。 ①外的努力 『世代の垣根を…

話がつまらない先輩男子との付き合い方

いますよね。いるんですよ。所属した共同体内に必ず一定数は存在する彼ら、「つまらない系先輩男子」。彼らの何が面倒くさいかと言うと、まず、当たり前ですが先輩だから自分より年上であり、年功序列の価値尺度から、「建前上」は彼らのことを敬わなければ…

個人に依拠する力の支配構造(暫定的構成)

(1)「個人」、「力」の定義 ・「個人」の定義:「社会をより良く作り変える」という自負心を持ち、「力」を自覚し、それを獲得しようと志向し、自己の支配を膨張主義的に拡大させる個人主体。 ・「力」の定義:自分が望む結果になるように他人の行動を変…

でやんす事件

私が、心理的暴力としてのディスりを希求するに至った象徴的な事件、それが今から述べる「でやんす事件」である。ちょうどサブキャラ期の真っただ中だった中学二年生の頃、つまり、比類なき劣等感と自己否定感にさいなまれていた頃の私でさえも、「コイツは…

「何も生まない会議」論考

「何も生まない会議」とは、水野敬也氏が毎週土曜22:00〜に配信しているUstreamの表題である。大学一年の頃に「ウケる技術」を読んでから、「色々と見えすぎてて怖い」と、畏怖と尊敬の対象であった彼が、活字の言葉を通してではなく、生身の人間として躍動…

スカイといふ男

私といふ存在を語る上で、必然的に語らねばならぬ男がいる。それが、スカイといふ男である。私とスカイは中高一貫の男子校で出会った。高校1年から3年まで同じクラスであったが、私と彼が実質的に言葉を交えたのは高校3年の頃であった。 私が自らの人生を振…

私と兄と姉

本稿は、過去記事「インディアン・インパクト」(http://d.hatena.ne.jp/kent-0106/20110901/1314906967)の中でも言及された、私の兄弟間で生成された「仲間」制度の内実に迫るものである(故に前提知識として過去記事を読んでくだされば幸いである)。その…

人を「いじる」者達へ告ぐ。

コミュニケーション空間において、「いじる」側―「いじられ」側という役割分担が自然発生的に生じることは論を俟たない。しかし、私はいまだかつて、両者が健全な関係性を保ち、有機的に機能している空間を見たことが無い。 そこには常に、「いじる」側の「…

黒歴史を振り返る

人には必ずその人固有の「黒歴史」がある。「黒歴史」とは、それが衆目の下に晒された日にゃ勢い余って自害やむなし、あるいは、思い出すだけでも全身に鳥肌がプツプツと立ち、やがて視界が遠のき虚空を向き始め、気付いた時には穴と言う穴から体液全放出と…

「面白い文章」考察/教材「ウケる日記」

前回の記事で言及した通り、今回は水野敬也氏のブログ「ウケる日記」を教材として、いかに「面白い文章」を書くことができるのか、考察してゆきたいと思います。本考察において、同氏が実際に(考察通りに)意図して書いたかという事実はそこまで重要ではあ…

「面白い文章」の書き方

一昔前に、「侍魂」を主とする「テキストサイト」が流行した。自らが書く文章をサイトのメインコンテンツとし、文字の大きさや色を変化させる等の多様な工夫がなされたものだった。 誰にでも分かることだが、テキストサイトを立ち上げる人間は、自分の文章力…

インディアン・インパクト

私は小学5年生から中学1年生になるまでの二年間、インドのカルカッタという場所に滞在していたのだが、そこでの体験・環境が現今の私の精神成長過程・人格形成に及ぼした影響は多大である。マイナスの方向へ。 私には双子の姉、年後の兄がいる。そして、一般…