道化が見た世界

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ホンディアン・イングリッシュ

英語はアメリカン/ブリティッシュ・イングリッシュのツートップによって分断されていると思われがちだが、実を言うと、その認識は間違っていると言って良い。


現状を注意深く観察してみると、そこにはホンディアン・イングリッシュ(HONDA+INDIANの造語。私は小学5・6年時にインドに滞在していた)という英語が根強く息づいていることが分かってくる。つまり、現状はアメリカン/ブリティッシュ/ホンディアンの三つ巴の状態にある、ということである。


ホンディアン・イングリッシュが他二つと一線を画す点は、英語という言語それ自体に、面白みを、エンターテイメント性を見出そうとする志向性にある。


これは私の仮説に過ぎないが、英語を母語とする人間は、概してテンションが高い。つまり、英語それ自体が“ハイテンション”を内包しているということである。例えば、ウィル・スミスを想起してほしい。彼のテンションは日本人目からして常軌を逸しており、日本人であのような秀逸な人材が存在するとは到底思えない。その根拠として、私の仮説が効力をなす。


考えて見てほしい。例えば、同窓会を催して、久し振りに再会した同胞に向かって掛ける言葉を。日本語であれば、せいぜい「おお、久し振り。元気にしてた?」ぐらいである。一方、英語の場合はどうであろうか。「Hey!!What's up man!How's life going bro?!」である。これはもうテンションが上がらざるを得ないのである。


私は、英語が内包する“ハイテンション”を始めとする全てに、エンターテイメント性を求めて行きたい。それが、ホンディアン・イングリッシュの真髄である。


ホンディアン・イングリッシュは、そのエンターテイメント性を全面に押し出す面白至上主義の為、英語を喋る上で厄介な文法などの細かい事項は気にしない“そこはかとなく伝わればいい”のスタンスを貫徹する。そうすることで、シャイな日本人は積極的に英語を喋ることができるに違いない。


面白い英語を直に感じ取る為にお勧めなのは、洋画をたくさん観ることである。映画に出演している彼らは、カナリの高確率で面白い英語を喋っているからだ。ということで、これから私が厳選した、面白英語の数々を書き連ねて行きたいと思う(映画からの抜粋だけでなく、私が自ら考案した英語も含まれる)。


・Hey!!what's up man!hows life going bro(dude)?!
(男性間での基本的な挨拶の定型)


・you are totally insane!!
(白目を向いて)


・you are hopeless young fool
(リズミカルに)


・philosophically/philosophically speaking/in philosophical way
(話す内容に奥ゆかしさを含みたい時)


・i hate you!!/i told you!!
(狂気の沙汰で)


・don't touch me!
(誰かに不意に触られたら大声で)


・super-duper-
(超〜という意味らしい)


・i think i am god
(全能感を露にしたい時)


・shut the fuck up please
(汚い言葉の最後にpleaseを加えることで、そのギャップが際立つ)


以上挙げたように、英語には多分にエンターテイメント性が秘められていると言って良い。私はホンディアン・イングリッシュを一つのツールとして用いることによって、自己のハイテンションを保っている節がある。そうしているうちに、今では家で常に英語で会話をするようになった。今後の課題は、この新境地を果たして外に発信できるかどうかである。


ということで、ホンディアン・イングリッシュ夏期講習、只今より受付開始である。