道化が見た世界

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5/25 “Answer is aLive”TOUR@Zepp Tokyo 完全感覚Reporter(2)

ONE OK ROCKerである僕達の胸の高(TAKA)鳴りが加速してゆくと、次に身体が自然に動き出すTAKAササイズ(TAKA+エクササイズ)という現象が起きます。


それではそのTAKAササイズとは一体何か。それは、ボーカルのtakaが歌いながらする激しいキレッキレな動作の総称です。その中で最も代表的なモノは、「左腕を腰の後ろに回し、右手でマイクを持ち上下に揺らしながら、自身も振り子の様に前後へ激しく動く」というものです(言葉では分かり辛いと思うので「完全感覚Dreamer」のPVを参照してみてください)。


そもそも、僕がワンオクを知ったのは、たまたま友達がカラオケで歌っていたからなんですが、その時PVでTAKAササイズを見た瞬間に



これ来たな



と人知れず確信したんですね。つまり、僕がONE OK ROCKに魅了された根本的なキッカケは「TAKAササイズ」にあった訳なんです。タカササイズが無かったら、今の僕はいなかったのです。


ですからワンオクを聴いていると、公共の場(例えば電車内など)でも人の目をはばからずにタカササイズしたくなっちゃうんですよね。まあ、実際してますよね。


そんなこんなでZEPP TOKYOに入場したんですが、僕達は二列目の半ばを陣取り、その時を待ちました。照明が落ち、怒号のような歓声がZEPP全体に響き渡るや否や、遥か前方を凝視すると、そこには紛れもない、takaさんが、ONE OK ROCKが、確かな生命力を持って厳然と存在していたのです。


しかし、その強靭な生命力・存在感に圧倒される間もなく、今度は観客側の波のように押し寄せる波状攻撃的生命力に慄然とします。



えっ?



奇しくも、私はワンオクに圧倒される前に、押し寄せる観客に完全に圧倒されてしまったのです。私はまるで大海にポツンと取り残された漂流者の如く、ZEPPを彷徨いました。気が付くと、スカイとはぐれていました。そして、ひと際の勢いで意図的に私にぶつかってくるモッシュ青年がいました。



は?



そこは大荒れの海であり、激戦海域であったわけです。無知で馬鹿な私は、イノセントにもそこに迷い込んでしまったのです。そして次に私に襲いかかってきたのは、ダイバーのかかとです。ちょうど私の頭部付近めがけて飛んできました。



おい



私は全速力で逃亡しました。もっと穏やかな場所へ、ワンオクの存在感を確かめることのできる場所へと。肝心のスカイはと言うと、彼は自力で拠り所となる柵にしがみ付き、まるでツタのように最前線で絡みついていたのです。私は、彼の生命力の強さにも感心したのでした。


結局、ダイバーの足が頭部に五回ほどあたったらしいですが、スカイは最前線でライブを楽しむことができたようです。帰路につく時の私達のあまりのテンションギャップは、もはやギャグの領域に達していました。


そして私は自分に誓いました。今日の観客の生命力に決して負けない強靭な生命力を手に入れる、と。それが私にとっての「ROCK」なのです。