道化が見た世界

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世の中は巧くできている

世の中には、人に気を遣ってしまう人がいる。その度合いは人それぞれだが、そういう人は他人の受け皿的な役割を、幸か不幸か担っている。そういう人はストレスが溜まりやすいし、世の中には自分勝手な奴がいっぱいいて困ったもんだ、と感傷に浸る毎日を過ごしている。


ところが逆に、世の中には人に全く気を遣わずに生きることのできる人間もいる。そういう人は他人の受け皿にならなくていいから得である。ストレスも溜まらないし、感傷的になる必要もない。


これだと一見、人に気を遣わない人が人生を楽に生きているように見える。人に気を遣ってしまう人は、彼らを羨ましくさえ思うかもしれない。しかし、そんな彼らを社会(気を遣う人々)は許さない。社会は彼らを糾弾し、ゆくゆくは淘汰するだろう。「あいつは自分のことしか考えていない、困った奴だ。あんな奴とは関わらない方が良い。」


私が言いたいことは、どちら側の人間が良いとか悪いとかではない、(と言うと綺麗事になるが、)ただ、どちら側の人間も人生を楽に生きていくことはできない、ということだ。世界は巧くできている。