道化が見た世界

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ディスりへの対応の仕方

他者にdisられた場合、一般的には心が傷付きます。disられた側は、おおよそ次の様な対応をとることになるでしょう。

1、ただただ落ち込む
2、disった人間を非人格者として軽蔑し、第三者に愚痴る
3、何か別の対象を用いてフラストレーションを発散させる
4、disった人間に物理的暴力を行使する
5、更なるdisりを以て抗戦する
思うに、殆どの人は1〜3の類型に当てはまるでしょう。4は確かにdisられた事に対するフラストレーションを解消する積極的手法として位置付けられますが、ハイリスクなので実行するのは中々難しいです(彼が理性的決断力を持っているとするならば)。

私が提案するのは解決策5の、更なるdisりを以て抗戦する、です。

この世に完璧な、抜け目の無いdisりというものは存在しません。どのdisりにも付け入る隙があります。つまり弁証法的に言うと、そもそものdisり言説(ディスリテーゼ)に対して批判的な視点を持ちつつ点検をすることによって、必ずそのdisり言説を高次の次元によってdisるdis-dis言説(ディスリアンチテーゼ)が生まれます。

このディスリアンチテーゼは、他者の自己への批判を自己の他者への批判へと転換します。ここでディスリテーゼを提唱した人間にそれほどの力能が備わっていなかったとするならば、彼はインテリジェンス(知的批判能力)においてディスリアンチテーゼを提唱した人間に敗北したと言えます。

彼にそれなりの技量があり、ディスリアンチテーゼをより高次の次元でdisることに成功した場合、それは当初のディスリテーゼを超越したディスリジンテーゼになり得ます。

この知的批判の連鎖に身を投ずることによって、貴方のdisり能力はより一層鍛え上げられるでしょう。