道化が見た世界

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ホンディアン・イングリッシュ講座 第一講

ガラガラ…
(教室のドアが開く音)


スーツ姿のHONDAが教壇に向かい、教室を見渡す。しかし、生徒は何処にも見当たらない。


皆さん、こんにちわ。今日は、ホンディアン・イングリッシュの記念すべき初講座ということで、自分の名を冠した本講義に若干の気後れを感じながらも、大変誇らしい気持ちでいっぱいです。


まずは皆さんに、ホンディアン・イングリッシュとは何なのか、また、それが標榜する目的は何か、説明してゆきたいと思います。…と、思いましたが、過去の記事で既に詳細は言及されていますので、そちらを参照してください(http://d.hatena.ne.jp/kent-0106/20110629/1309356753)。


要点を簡単に言ってしまえば、「英語を使って、ハイテンションでハッピーなライフを!(英語という言語はハイテンションを内包しているぞ!)」ということです。因みに、「ホンディアン」とは、「HONDA + INDIAN」を繋げた造語です。


では、前置きが長くなりましたが、早速第一講の本題に入っていきたいと思います。今回取り上げるイングリッシュは、コミュニケーションの基本とも言われる「挨拶」です。


HONDAが教壇の上にクリップボードを掲げる。


ということで、今日学ぶキーワードはコチラ!
「HEY! WHAT'S UP?!」
(デデン!という効果音)


はい、この「へい、わっつあっぷ!」という挨拶は基本中の基本とも言えるもので、意味は「よう!、調子どう、こんにちわ、ちゅす!」など、多様であり、取り敢えず外国の方に会ったらこのフレーズを連呼していればまず間違いありません。


日本語の発音というのは、基本的にフラットなので、たとえば、学校で友達に会った時は「おーーす、おはよう」などでしょうが、これだと一切テンションが上がらず、「友に会えた」という自己の内にある喜びを、うまく言葉に乗せることができません。


一方の英語は、イントネーションをある程度自由に調整でき、自分の感情をそのまま言葉に乗せることが可能なのです。どういうことか説明したいと思います。


まず、「HEY!(へい)」ですが、この言葉は、友を見つけた瞬間に叫んでください。へい!ではなく、多少くずれた感じで、あい!、えい!、へっ!などでも可能です。この原初の一撃で、友は間違いなく貴方の存在に気付きます。


次に「WHAT'S UP?!(わっつあっぷ)」ですが、ここには多様なバリエーションが存在します。1つは、「わーーーつ↓↓」と腹に息を溜め込み、最後の「あっぷ↑↑」で爆発させる方法です。爆発時に喜びを最高点にもっていきます。


2つは、省略系の方法で、「さっぷ!」と言う方法です。これが一番オーソドックスな言い方ですが、最悪「さっ!」でも通じます。へい!の部分を含めると、最短で「へっさっ!」ということになります。


さて、この挨拶が終わった後は、熱い握手を交わすか、ハグするか、あるいは握手してからハグするか、いずれかの手段を講じましょう。日本の文化では、挨拶時に異性とハグすることはセクシャルなハラスメントの烙印を押される危険性がありますから、異性間では握手に抑える方が無難でしょう。


もう一歩進んだ挨拶をしたい冒険的野心に溢れている方は、「へっさっ!」の後に、お決まりの流れを作っておくといいでしょう。たとえば、野球でホームランを打った後にベンチのメンバーと手や体を駆使した掛け合いがあるでしょう。あれです。あんな感じのお決まりのやり取りを事前に作っておき、是非挨拶の場で実践してみましょう。


それを傍目から見ていたホンディアン・イングリッシュ非履修者との差は歴然です。「こいつら何かが違う。アメリカっぽい。」と思わせること必定です。そこで、可能であれば彼らに、「This is NOT American English BUT “HONDIAN”」とドヤ顔で言い放ってください。確実に引かれます。


ということで、いかがだったでしょうか。初めての講座ということで、わたくし自身も緊張しておりましたが、いくらかホンディアン・イングリッシュの魅力を皆さんに伝えることができたと自負しております。次回の講座では、一人でも生徒が増えていることを望みます。


HONDA、泣きながら教室を後にする。