道化が見た世界

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ニートは悪くない

 ニートについての諸問題ですが、私は、現状を鑑みて、ニートの若者達が総じて悪いとは思っていません。
 

 そもそも、ニートとは怠けたり甘えたり、「働く」意欲がないのではなく(まぁ完全に意欲のないウンコな人もいるかもしれませんが)、職場の人間関係に耐える自信がないこと、間接的にはホームレスの方がマシだと思わせるほど日本が豊かになったこと、などの誘因から、「就職」しようとしない若者のことです。


 高度経済成長期に形成された既存の社会システム自体(終身雇用・年功序列・新卒採用に偏った就職・個を抑圧する会社組織など)が機能不全に陥っていることを示す存在として、彼らを位置付けることができると思います。


 従来の「大人の男性」並みに仕事をすることをノーマルとみて、単純に彼らを労働市場へ参入させればよいというものではなく、個々人のライフスタイルに合わせた多様なかたちへと「働き方」そのものを標準化してゆく必要があるはずです。

 
 その中で私が一番疑問に思っているのは、新卒時に偏った雇用システムです。このシステム下では、一度失敗すると再挑戦が難しくなります。不景気が続く今では、わざと留年して、就活期を一年見送った方が良いと考えている人もいるようですし、この現状は異様であると言わざるを得ません。


 蛇足ですが、私がニート問題になぜ関心があるかと言えば、私の中にニート予備軍的気質、いやニート気質があるからに他なりません。冒頭部分の、ニート定義の一節で、カギカッコで(まぁ完全に意欲のないウンコな人もいるかもしれませんが)と断っておきましたが、正にそのウンコマンこそ私のことであります。


 私はウンコマンですが、既存の社会体制の抜本的改革が先決だと思います。ウンコを流すにはまず、健全なトイレ設備を、ということです。